mooncatの図書館

本が好きです。図書館に住みたい。読んだ本の感想文を書いています。

真梨幸子

ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚 (幻冬舎文庫) 作者:真梨 幸子 幻冬舎 Amazon お客様は神様。 なのだろうか? お金を払っているんだから。こっちは客なんだから。と言い出す人のほとんどは貧乏人。貧乏人ほど少しのことにクレー…

ツキマトウ 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係 (角川文庫) 作者:真梨 幸子 KADOKAWA Amazon 誰が被害者で誰が加害者なのか。見る視点を変えると同一人物が被害者にも加害者にもなりうる。 今作も真梨幸子先生らしく多くの登場人物が微妙に絡み合っていて、そこを…

人生相談 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

悩んだ時は誰かに聞いてほしい。アドバイスしてほしい。大きな問題であればあるほど、身近な人より赤の他人に聞いてもらった方が気持ちが楽になるかもしれない。今日も大洋新聞の“よろず相談室”には様々な悩みが届く。 今回も登場人物が多くて混乱したけれど…

深く深く、砂に埋めて 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

もしあの時こうしていたら・・・ なんてことを考えたことはないだろうか。 でもきっと過去に別の選択をしていても結果は今と同じか、またはもっと悪いものだったのだろう。 今作は圧倒的美女、野崎有利子(のざきゆりこ)の存在によって人生が狂っていった男…

坂の上の赤い屋根 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

何が嘘で、何が本当なのか。 テレビで言っている情報が必ずしも本当ではない。誰かが情報を操作している可能性がある。ネットも雑誌も。だからその情報の出どころはどこなのか。そしてそれは本当なのか。 自分の頭で考えて判断できない人は、騙されていいよ…

三匹の子豚 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

言葉には気をつけないといけない。 そう思えるようになったのは大人になってからだ。子供の頃の口癖って不思議と自分の親の口癖と同じ。良い言葉を使ってくれる親ならいいけれど、人の悪口や愚痴ばかり言っている親の元に育ってしまったら自分でそれを矯正し…

向こう側の、ヨーコ 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

人間は一日に9000回もの選択をしているらしい。 今日は何を着ようか?今日のランチ何を食べようか?帰りにお買い物をしようか?日々小さな選択をしつつ、時として大きな選択に迫られることもある。どの学校に進学しようか?どの会社に就職しようか?起業しよ…

縄紋 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

真梨幸子=イヤミス、女性同士のドロドロのイメージではないだろうか? 今作の主人公は男性。そこからして今までの作品とは違うのかな?と思わされた。 主人公の興梠(こうろぎ)大介の視点と五十部靖子の書いた『縄紋黙示録』という小説とが交互に話は進ん…

聖女か悪女 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

他人を支配下に置くことに喜びを感じるのは、人間の本能なのかもしれない。 今作では誰しもが他人を支配下に置いて、自分は凄いのだ!と思っている。が、それは勘違い。自分が支配下に置いていると思っている人に弄ばれていたりね。相変わらず真梨先生の描く…

初恋さがし 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

初恋の人を覚えていますか? 初恋ってきっと思い出だから美しいのであって、今現実に会うとガッカリするんじゃないかな、なんて。もし私が誰かの初恋の相手であったとしても絶対にガッカリされる自信がある。 さて、今作はミツコ調査事務所という興信所を舞…

フシギ 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

今度こそは真梨幸子に騙されない。 そう思って注意深く読み始めるのに、毎回冒頭から騙される。そう、今回も冒頭からミスリードされまんまとそのまま読み最後にしてやられた!と気付くのだ。 まず『私』をずーっと女性の作家だと思い込み最後まで来てしまっ…

鸚鵡楼の惨劇 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

もう二度と真梨幸子には騙されない。 そう思って心して読んだのに、またしてもやられてしまった。人間の思い込みの力には勝てないね。冒頭から騙された。“こうちゃん”=“河上航一”って思うよね?もうずーっと最後までこう思い込んでたから最後の衝撃がすごか…

私が失敗した理由は 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

人の不幸は蜜の味。 特に自分の嫌いな人、成功者、上級国民なんて呼ばれるような人が転落する様は面白いものである。もちろんそんなこと口には出さないし、自分の心の中で思っているだけ。ましてや本人に直接言ったりSNSに書いたりはしない。それはもう知能…

孤虫症 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

誰にも共感できない。誰にも感情移入できない。だけど、真梨先生の作品はつい一気読みしてしまい、更に2周目にまで突入する。今作がデビュー作らしいが、デビュー作でよくこんな小説が書けるなと。 今作ではフリーセックスを楽しむ主婦の麻美の不倫相手が次…

女ともだち 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

友達って何だろう? 自分が友達と思っていても、相手はただの知り合い程度に思っているかもしれない。学生時代、仲の良い二人だなぁと思っていても実は二人のうちの片方が相手を嫌いだったり。特に女性同士の友達って難しいよね。 今作の登場人物は皆どこか…

5人のジュンコ 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

どんな人と付き合うか。 子供の頃はどんな人と付き合うかは親の経済力によって左右される。住む地域によって住む人の民度は異なる、良くも悪くも。お金が全てではないが、経済的に恵まれている方が精神的にも安定する傾向にある。それはそうだ。日々の生活に…

6月31日の同窓会 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

女性同士の本当に美しい友情なんてあるのだろうか?どんなに仲良く見えてもその心の中は誰にも分からない。そんな女性のドロドロが読める!嬉々としてこの作品を手に取った。 伝統ある女子校の卒業生の連続不審死。死亡した女性たちは皆6月31日に開催される…

インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

なぜ人は『特別』という言葉に弱いのか。 あなただけ特別だよ。と言われて悪い気がする人はいないだろう。人は誰しも誰かに認めてもらいたい承認欲求がある。誰かから特別と言われるとその承認欲求が満たされるのだ。この『特別』という言葉に作中ではたくさ…

殺人鬼フジコの衝動 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

言葉の力は思っているよりもすごい。 何気なく言った言葉が人の人生を大きく左右する。良くも悪くも。かわいいね、美人だねと言われ続けた人は本当に美人になるし、ブスだの馬鹿だの言われ続けた人は本当にブスになる。 さて、この作品は殺人を犯し続けたフ…

ふたり狂い 真梨幸子 レビュー  ネタバレあり

え?どういうこと?結局誰が狂ってたの? 読み終わった時の率直な感想。ピースがパチパチと合うことがなく終わってしまった。頭の中が混乱したままモヤモヤだけが残る。はい、もう一回読めということですね。まんまと2周目。今度はメモをとりながら読んだ。…

あの女 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

最初から騙されずに読んだ人いる? いやーすっかりミスリードされて読んでしまった。最後にえ!?ってなるの好きだ。そして読み終わった後すぐに読み直してしまいたくなるこの感じ。真梨先生さすがです! さて、こちらの作品は単行本発刊時は『四〇一二号室…

みんな邪魔 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

真梨幸子先生の作品の怖いところは、誰しもがそうなり得るというところである。 登場人物があまりにも自分からかけ離れてサイコパス過ぎると、そういう人もいるんだなぁ、怖いなぁで終わるけれどちょっとした掛け違いで誰しもが登場人物と同じような人生を歩…