人生相談 真梨幸子 レビュー ネタバレあり
悩んだ時は誰かに聞いてほしい。アドバイスしてほしい。大きな問題であればあるほど、身近な人より赤の他人に聞いてもらった方が気持ちが楽になるかもしれない。今日も大洋新聞の“よろず相談室”には様々な悩みが届く。
今回も登場人物が多くて混乱したけれど、相関図を書きつつ読了。ポイントをまとめていく。
居候している女性が出て行ってくれません(悩める家主の娘=原田芙美子)
職場のお客が苦手で仕方ありません(クラウドペガサス=メグミ)
隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです(茶っきり娘=米田美里の母)
セクハラに時効はありますか?(悩める北の王子=浅川さん)
大金を拾いました。どうしたらいいでしょうか(ハラダ=原田和子の母)
西城秀樹が好きでたまりません(傷だらけのローラ=カナコ)
口座からお金を勝手に引き出されました(ミセス・レッドウィング=岡部康の妻)
占いは当たりますか?(おとめ座のおとめ=山木千佳)
助けてください(迷える子羊=野上美奈子、小坂井剛の母)
各章の相談者は以上。間違っていたらコメントで教えてください。
原田家の平屋に住んでいた人々
・原田家のおばあちゃん
・原田和子
・原田芙美子(ハニーフラッシュのナオミ)
・原田健太郎
・野上美奈子
・小坂井剛
・野上美奈子、小坂井剛の母
平屋は元々原田家のものだったが競売にかけられ、不動産会社が落札。
原田家の人々は立ち退かず、小坂井家と賃貸契約を結び平屋を占有する。
大洋新聞の川口寿々子が原田家のおばあちゃんに入れ知恵をしたことにより、賃貸契約締結の運びとなる。
よって狭い平屋に7人もの人が住むことになった。
武蔵野寛治(作家)
本名は野山寛治。かつてクッキー工場でアルバイトをしていた。
樋口義一(作家、ホスト)
本名は川口義一。キャバクラハニーフラッシュのNo.1アキナと同棲している。
失踪した母親の死体が平屋のどこかに隠されていると思い、平屋の所有者となる。
川口寿々子(大洋新聞)
よろず相談室に投稿される相談の回答をし、必要とあれば個人的に相談者に連絡を取っていた。大金を拾った原田のおばあちゃんに警察に届けるように説得するも、おばあちゃんは倒れてしまう。自身が殺したと思い込み、警察に自首すると言い残し失踪。
後に西野奈々子として生きる。ダメママとして“よろず相談室”に相談事を投稿。
樋口義一の母。
並木郁子(大洋新聞)
川口寿々子の同僚。後にガーネット・サクヤと名乗り占い師として活躍する。
平屋の倉庫に隠されていた死体は、安田さん(原田家のおばあちゃんのパチンコ仲間。武蔵野寛治と同じクッキー工場で働く)のもの。
細々とした真相はあるけれど、ざっとまとめてみた。今回も登場人物の誰もがまともではなくて、誰も好きになれない(笑)
読み始めた時は短編小説集なのかと思ったが、全部が繋がっていて最後に伏線が回収されるのが面白くて一気読み。個人的に“居候している女性が出て行ってくれません”が一番ゾッとしたし、占有屋の話だと気づいた時にはびっくり。久しぶりに宮部みゆきさんの『理由』が読みたくなった。占有屋のお話なのでぜひ。
真梨先生のお話って登場人物が多くて、誰が誰だか分からなくなるけれど、人物相関図書いて色々と分かっていくのが本当に面白い。今回もドロドロ楽しめた。