三匹の子豚 真梨幸子 レビュー ネタバレあり
言葉には気をつけないといけない。
そう思えるようになったのは大人になってからだ。子供の頃の口癖って不思議と自分の親の口癖と同じ。良い言葉を使ってくれる親ならいいけれど、人の悪口や愚痴ばかり言っている親の元に育ってしまったら自分でそれを矯正しなければいけない。
普段自分が発する言葉を一番聞いているのは自分。言葉は思考を作り、行動を作っていくもの。どうせなら良い言葉を自分に投げかけて良い思考をし、毎日幸せを感じられる生き方をした方がいいだろう。
さて、今作も真梨先生らしさ炸裂で、嫉妬、妬み嫉みのオンパレード。ではあるが、注目したいのが皆親の(特に母親)の口癖に洗脳されているということ。親は選べない。平気で人の悪口を子供に聞かせる親がたくさん出てくる。これ、私は一種の精神的虐待だと思っている。親が何度も聞かせてきた言葉に洗脳され、自ら洗脳を解くことができずに行動してしまうと大変なことになる。
北上史朗ってとんでもない奴だなと思っていたけれど、最後の最後にもっととんでもない黒幕の黒幕が出てきたことにはびっくり。真梨先生はやっぱり裏切らない。斉川亜樹も石坂布由も赤松波留も自殺するように『言葉』によって仕向けられたのが怖い。言葉って人を殺せるんだよね。頭の良い犯罪者が一番怖いわ。
改めて自分が発する言葉には充分気をつけよう。そして自分の思考にも。真梨先生のお話って誰も好きになれないし、共感もできないんだけど読んじゃう。怖いもの見たさが刺激されるんだよなぁ。