沼田まほかる
沼田まほかるワールドへようこそ。と言われているようなこの表紙。ホラーやらミステリーやらと何かのジャンルに組み込むことのできない、まさに沼田まほかるワールドを思う存分堪能できた一冊。終始、うっすらとモヤがかかったような独特の世界感が大好きだ。…
パンドラの箱を開けてしまった。 人には知らなくていいことがある。いや、知らない方が幸せなことが多いだろう。『アミダサマ』ではパンドラの箱を開けてしまった故の悲劇、悪夢をまざまざと見せつけられた。 産業廃棄物置き場の冷蔵庫の中から発見された幼…
本を読んでいてこんなに胸が詰まったのは久しぶりだ。 昔の恋人が忘れられない十和子は寂しさを埋めるため15歳年上の陣治と暮らし始める。食べ方が汚い、トイレをすぐに汚す、どじょうみたいなど、十和子が陣治を表現する様は何ともひどい。仕事から帰宅し、…
主要な登場人物に根からの極悪人はいないのに、この終始漂う不穏な雰囲気は何なのだろう。ずっと靄がかかっている感じ。スッキリしない。 物語は佐知子の高校生の息子文彦が失踪するところから始まる。誘拐されたのか、事故に遭ったのか、何か事件に巻き込ま…