mooncatの図書館

本が好きです。図書館に住みたい。読んだ本の感想文を書いています。

月光 誉田哲也 レビュー ネタバレあり

 

何度も読むのを辞めようと思いつつ最後まで読んでしまった。読むのが辛い、けれどどう決着がつくのか気になる。ただ私はこの本を誰かにお薦めはしない。

 

どんなに真面目に生きていても思いもかけないことに巻き込まれることがある。そして命を落とすことも・・・

 

残された者は何が真実かを知りたいとも思う。が、知って後悔してしまうこともあり、そして知った真実に悲しみ嘆き、自分自身がどうそれを乗り越えていくべきなのか。

 

もういいじゃない。終わったことじゃない。赦してあげればいいじゃない。

それができたらどんなに楽だろう。

 

人を『赦す』ということ。

 

私は今作を『赦す』ということに焦点を置いて読んだ。生きていく中で全ての人を赦して生きていけたらいいけれど、私は赦せなくてもいいと思う。ただ赦せない自分を赦すこと。だって人間だもの、完璧じゃない。いつか赦せる日が来たらいいな、でも赦せなくてもいい。

 

途中途中の描写が過激で正直気分が悪くなってしまった。できれば若い女性には読んでほしくない。こんなことあってはならないけれど、実際にはあることなのだろうと思うと胸が苦しくなる。