ふたり狂い 真梨幸子 レビュー ネタバレあり
え?どういうこと?結局誰が狂ってたの?
ふたり狂い 真梨幸子
— mooncat (@mooncatbooks) 2021年6月30日
一度読んで、え!?ってなったので二周目。メモ取りながら読了。
汚い字ごめんなさい🙏
見えてきた部分もあるけれどモヤモヤしてる。とりあえず今夜お酒飲みながら頭整理しなきゃ🥃📚
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真梨幸子先生って絶対2周目も読ませるために書いてるよね。私はこうやって沼にハマっていったのだ。
さて、一見短編小説集と見せかけて実は全部のストーリーがちゃんと繋がっているこちらの作品。相変わらず誰一人として登場人物は好きになれないね。エロトマニアでは川上孝一(お笑い芸人ひとりでヤルモン)が妄想狂いのやべー奴かと思いきや、麻衣子が勝手に婚姻届を出すほど孝一の熱狂的なファンのような描写もある。孝一はこの時心神喪失状態で麻衣子のことは認識できなかったけれど、麻衣子は裁判の証言台に妻の立場としても立っているし一番正常なのは麻衣子だというのが私の理解。
カリギュラでは留美子の友人は女性と思い込んで読んでいたけれど、榛名ミサキの編集担当の田中玄太郎さん(男性)だったんだね。しかもクレーマーの章でも出ていたあの事故物件(Tマンション507号室)に住んでいたという。900万円で売りに出ていたマンションなのに田中さんが買った時は2000万円かぁ。留美子の彼氏の勘違いによって殺された田中さんがただただ気の毒。
ゴールデンアップルの章では益田奈々子の勘違いとちょっとしたネットへの書き込みから、企業側から名誉毀損で訴えられ逮捕される。現代社会においてあるあるだなぁ。それよりも北海道屋に派遣されている山口聡美の方が私は怖かった。最後のフォリ・ア・ドゥでびっくりしたけれど、いじめられていて怖い〜って泣いて言っていた山口さんがいじめをしていたっぽいし。この辺りは謎。
留美子の彼氏に殺された田中さんが住んでいたマンション。Tマンション507号室で以前起こった事件がデジャヴュとギャングストーキングで明らかに。この辺りは本当面白かった。507号室の住人ベートーベンの妻がジャパン光の社員絵美を誤って殺し、自主を勧めてきた夫ベートーベンと不倫相手内山をも殺す。それを悟ったTマンション607号室の住人山岡美津子がベートーベンの妻に刺される前に刺す。いやぁ複雑。この辺り時系列が2003年と2008年を行き来するからドキドキした。のぞき趣味の608号室の住人グッジョブ!あなたのおかげで全てが分かったよ。
最後の章フォリ・ア・ドゥでは榛名ミサキが孝一を刺すんだね。エロトマニアとは逆の展開。麻衣子が榛名ミサキに送ったfaxをきっかけに孝一を刺し、孝一は意識不明の重体。榛名ミサキの裁判のシーン、狂気しかなかった。証人も弁護士も傍聴人も全員が榛名ミサキの小説『あなたへの愛』に引っ張られすぎ。麻衣子は孝一と結婚し、榛名ミサキとの浮気を疑って離婚、そして孝一の裁判中に彼を支えてあげたいと思い孝一と再婚。麻衣子は妊娠中。ふむふむと思っていたら、最後の展開ね。結局麻衣子が一番まともで、狂っていたのは榛名ミサキと『あなたへの愛』のファンっていうのが私の見解。
あー難しかった!みなさんはこの作品、どう読みましたか?