mooncatの図書館

本が好きです。図書館に住みたい。読んだ本の感想文を書いています。

私が失敗した理由は 真梨幸子 レビュー ネタバレあり

人の不幸は蜜の味。

特に自分の嫌いな人、成功者、上級国民なんて呼ばれるような人が転落する様は面白いものである。
もちろんそんなこと口には出さないし、自分の心の中で思っているだけ。ましてや本人に直接言ったりSNSに書いたりはしない。それはもう知能を持った人間として当たり前のこと。

そんなことないよ!私はいつでも全世界の人々の幸せを願っているよ。なんて言う人がいたら、その人が一番信じられないよね。そっと距離を置くレベル。

さて、今作でも登場人物の誰一人として好きになれないし、共感もできない。真梨先生のらしさ爆発。そして冒頭から『孤虫症』が出てきたことに大興奮!!!先日読んだばかりなのでびっくり!読んでいて良かった。

 

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しかも真梨先生、ご自身の著書を大胆にもこき下ろす。その様がとても面白い。何度も何度もこき下ろす。薄っぺらい小説、小学生の落書き、低俗・・・なんてね。あらゆる限りの言葉を使ってこき下ろす。なぜにここまで?なんて思って面白おかしく読んでたんだけど、これがものすごい伏線になっているのがすごい。

それぞれの登場人物が生きている中で良いことも悪いことも経験していくんだけど、その当時はそれが成功なのか失敗なのかは分からないよね。挑戦しないと成功も失敗もないし、何もしなければ何も無いまま終わるかもしれないけれど事故に遭って急死なんてこともあるかもしれない。

自分の人生を振り返ってみても山あり谷あり、紆余曲折あったし、これからも生きている限りは何かあるんだろうけれど一つ言えることは、他人の悪口は言わないに限る。そして、ニコニコしながらも裏で人を操る人にも注意だよ!今作の宮里さんみたいなね。

私の知っている人で人の悪口ばっかり言ってる人って確実に不幸になっている。気の毒だなぁ、かわいそうだなぁとは思うけれど関わらずにそっと離れて遠くから見る。遠くから人の不幸を見るのは楽しいですからね。人の不幸は蜜の味。