mooncatの図書館

本が好きです。図書館に住みたい。読んだ本の感想文を書いています。

素敵な日本人 東野圭吾 レビュー ネタバレあり

 

日本に住んでいるとついつい日本人の悪いところが目に付く。でも海外に住んでみると日本人の良いところにばかり目が行き、早く日本に帰国して日本に住みたいと思う。

 

日本人は真面目で親切で丁寧な人が多い。日本人は素敵だ。さて、今作は東野圭吾先生の9つの短編集。お屠蘇や雛人形など日本独特のものが出てくるのが面白い。

 

正月の決意

お正月は何かを始めるのには良い機会。今年こそ○○するぞ!と決意する人も多いだろう。何かの勉強だったり、健康のことを考えての運動だったり。何か前向きなことを始めがちだが、主人公夫婦が決意したことは自殺。

 

正月早々面倒な事件に巻き込まれ、厚かましくいい加減に生きている人たちに遭遇する。いい加減に、気楽に、厚かましく生きていきましょう。っていう言葉が身に染みる。日本人は良くも悪くも真面目すぎる。いい加減は良い加減。気楽にいきましょ〜

 

十年目のバレンタインデー

表題からして心温まる系のお話かと思っていたら、まさかの展開!知理子の真っ直ぐさと執念がすごい!どんでん返し最高!

 

今夜は一人で雛祭り

お雛様の飾り方に地方で違いがあるなんて知らなかった。口うるさい姑に面と向かって意見はしないものの、こっそりと雛人形の飾り方で反抗する妻。お嫁さんにあれこれ言う暇があるのなら、自分の趣味とか好きなことに情熱を注げばいいのに・・・そしてそれを黙認していた夫も情けないなぁ。

 

君の瞳に乾杯

モカちゃんはきっととんでもない女の子だ!と予想しながら読んでいたら案の定。彼氏がいるか結婚しているかだろうなと思っていたけれど、そのはるか上をいく展開。そして内村がまさかの警察官だということにびっくりした。整形しても目元は変えられないんだね。

 

レンタルベビー

個人的に一番好きな作品。物は世の中にありふれているし、お金は物より経験に使うのが好き。だから人間仕様に作られたロボットの赤ちゃんを一定期間借りて子育ての擬似体験なんて面白いなぁ。と思いながら読んだ。60歳で平均寿命の半分も生きていないなんて、そんな世の中も来るのかも。

 

壊れた時計

だからあれほど余計な小細工はしない方がいいと言ったのに・・・

 

サファイアの奇跡

イナリ、覚えていたんだね。数年越しのイナリと未玖の再会に泣いた。

 

クリスマスミステリ

弥生の執念がすごい。自分の命を投げ出してまで黒須を陥れたかったのか。

 

水晶の数珠

人間が本当に喜びを感じる瞬間は、大切な人の役に立つこと。なんてことをここ最近よく考える。口では色々言っていても、父の息子に対する愛情が感じられた。愛情を行動や態度で示すことができる素敵な父親。日本の古き良き男性の象徴だ。

 

東野先生の短編集は久しぶりに読んだけれど、どれもサクサク読みやすかった。東野先生って全然違うジャンルのお話を書けるし飽きないなぁ。