mooncatの図書館

本が好きです。図書館に住みたい。読んだ本の感想文を書いています。

禁忌装置 長江俊和 レビュー ネタバレあり

 

人は死んだらどうなるのだろうか。

 

肉体は滅びても魂だけは残るのか。何かに生まれ変わるのか。死者に直接聞くこともできないし、生きている者が知るすべは無い。だからこそ人は死を恐れ、敬意すら抱く。死後の世界は全貌が分からないからこそ魅惑的だ。

 

とりあえず言っておきたいことは、死の恐怖を煽って人からお金を巻き上げるような宗教団体は滅びろ。

 

今作では、受け取った人々が自殺をしてしまうというメールの謎にテレビディレクターの岡崎零子が迫っていく。昔流行ったチェーンメールの類かな?○日以内に○人にメールを転送しないと不幸になるとかなんとか。

 

メールと自殺とどういう関係にあるのだろう?たまたまにしては自殺の数が多すぎやしないか?とドキドキしながら読んだが、死んだ人間の思想を見えるようにするシステムによって人が自殺に導かれていたというもの。実体化した霊に取り憑かれて死ぬ。

 

なんじゃそりゃ?なんだか肩透かしを食らった感じがした。うーん、最初は面白かったのに真相が明らかになっていくにつれ残念な気持ちに。辛口でごめんなさい。今作は私には合わなかった。長江先生の著書で一番のオススメは『出版禁止』

 

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フィクションなのかノンフィクションなのか、その境界線が曖昧になって混乱させられるのが楽しかった。

 

人は死んだらどうなるか。いつ自分が死ぬか。分からないからこそ生きていけるのだろう。いつ死ぬか分からないからとりあえずやりたいことはやろうと思うし、食べたい物は食べておこう。