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なんて素敵にジャパネスク2 氷室冴子 レビュー ネタバレあり

 

20年以上ぶりに“なんて素敵にジャパネスク”を読み、登場人物と久しぶりの再会を果たした気持ちになった。大好きな鷹男が出てきた!

 

あら?久しぶりねー!元気だった?全然変わらないわね!こっちなんて中学生だったのにもうアラフォーよ!と時の流れを感じるけれど、作中の登場人物は誰一人変わらない。当たり前なんだけど。一巻のレビューはこちらから。

 

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二巻からのお話はもうすっかり忘れていて、吉野君が生きていたことさえ忘れていた。ただ美しい僧が出てくるのは覚えていて、はて?この僧は誰だっけ?見覚えがあるわー久しぶりだね!と思っていたらまさかの吉野君だったのね。

 

瑠璃姫が吉野君を思う気持ちと同様、吉野君も瑠璃姫のことを思いながら過ごしていたことがなんだかとても嬉しかった。でも瑠璃姫は高彬と婚約しているわけだし、でもでもまだ結婚しているわけじゃないから今から全てを捨てて吉野君と結婚するのもアリだし。でもでもでも鷹男も好きだから、結婚するなら鷹男がいいかな?なんてたって帝だし。と中学生さながらの気持ちで読み進めた。

 

20年前は結婚するなら鷹男がいい!って思ってたけれど、今なら高彬かなぁ。当時は一夫多妻制が普通だし鷹男と結婚したらたくさんの妻のうちの一人になっちゃう。その点高彬は瑠璃姫だけを愛してくれるって言っているし。吉野君は昔の思い出が美しすぎて、ちょっとしたことで幻滅しそう。とまぁアラフォーの私はやけに現実的に考える。

 

瑠璃姫の揺れる心と共に、私も少女のように心をときめかせながら読む。仕事しなきゃー家事しなきゃーなんていう現実を全て忘れさせてくれる名作。氷室先生のあとがきによると、一巻目では読者の方の8割ほどは鷹男派だそう。当時私も鷹男派だったなぁ。付き合うなら断然鷹男だけど、結婚するなら高彬だわ、なんて。皆様は誰派ですか?