検索禁止 長江俊和 レビュー ネタバレあり
以下の言葉を決して検索してはいけません。
『くねくね』『コトリバコ』
大丈夫ですよね?検索していませんよね?検索してはいけませんって言っているんだから、検索なんてしていませんよね?
なんて言われると気になりませんか?どういう意味?思わず検索してしまいたくなる。人は禁止されると、その行為をしてしまいたくなるという習性を持つ生き物だ。校則があれば破りたくもなるし、親から禁止されていることはしたくなる。禁止されていることをした先に何があるのだろう?その先には魅惑的で神秘的なものがあるに違いない。そんな妄想を抱かせる。
本書には検索してはいけない言葉の他に、かつて話題をさらった『貞子』『リング』などのフィクションの中に潜むリアル、事実として存在したことだが暗黙の了解として語られず封印されたことなどあらゆる禁止事項が収録されている。私はミステリーやホラー小説の類が大好きなので、嬉々として本書を読んだがノンフィクションとなると心の底から怖くなる。夜一人で読むことは本当にオススメしない。
個人的に一番怖かったのは本書の最後に収録されている『おじろくおばさ』というかつて日本に存在していた風習。とある地域の家族制度で、読み書きを習うことなく結婚もせず一生を農作業や雑用をして過ごした人々のことを言う。生まれてきた意味とは・・・?学ぶことも許されず、ただ作業をするだけってロボットでいいのでは?おじろくおばさと呼ばれた人々は著しく感情表現が無いそうで、一種の精神的障害を患っていたのではないだろうか。
現実は小説よりも奇なり。怖いものは苦手という方は読まないでください。深夜一人の時は読まないでください。こんなことを書いたら読みたくなるでしょうか。